CASE STUDY
導入事例
PROSHAREチャットで情報共有の仕組みを構築し、利益率の改善に成功
株式会社北原工業様
規模 1-10人
業種 外構
課題 情報共有の徹底
会社情報
令和元年に法人化し株式会社となった北原工業は、外構・エクテリア事業を展開する土木会社です。外構・宅地造成・土木・道路・型枠工事など、幅広く対応できることを強みとし、右肩上がりで成長しています。
同社には急成長しているからこその課題がありました。それが「売上は増えるのに利益が増えない」状況に陥ってしまったことです。原因を追究した結果、「現場との情報共有ができていない」ことが影響していることに気づきます。自社でできる対策を講じるも上手くいかず、試行錯誤の末に建設業界に特化した情報共有ツール『PROSHARE』を導入。アプリの機能を活用し情報共有の仕組みを改善し、大きな課題であった原価率の改善に成功しました。
今回は、そんな自社の課題解決に取り組んだ丸川様にインタビューを実施。情報共有ツールを活用した利益改善に成功した事例をご紹介します。
抱えている課題
組織拡大に伴う情報共有不足
資材の受発注状況や人の動きなど現場を把握するための最適な方法が見つからなかった
原価率が悪いため売上が増えても利益が残らなかった
PROSHARE導入後の効果
〇 現場と経営・経理の情報共有がスムーズになった
〇 現場で発生している支出や現場の進捗等が正確に把握できるようになった
〇 粗利20~25%が安定するようになった
具体的な使い方
チャット活用し日報兼資材状況の報告をするようにした
まずは使用する人を職長クラスに限定。できるだけ早く運用できることを優先
工程表も活用し全体の現場スケジュールの管理もできるようにした
01
悪化する原価率の改善の鍵は現場との情報共有にあった
――まずは貴社の事業について教えてください。
弊社は外注も含めると10人以上が常に動くような事業規模です。主に外構事業、宅地造成などで、今後は水道などの公共事業にも進出しようとしている土木系の会社になります。
事業を立ち上げて3年で法人化したのですが、そこから一気に従業員が10名近くまで増え、売り上げ的にも立ち上げ当時と比較すると7~8倍くらいまで伸びました。
――どのような課題を抱えていたのでしょうか。
組織の急拡大に伴い、社長が全ての現場に目を向けられないこともあって、各現場の原価率や使用材料が把握できていないことが大きな課題でした。
急速に人が増え、売り上げも増えてきたものの、その割には利益が残らず原価率が悪化していたんです。私は経理ですので、数字から何が原因なのかを色々と調べました。その結果「従業員が増えてきた中で情報共有ができていない」、「受注や納品など現場で使用した資材の管理ができていない」ということが見えてきたんです。
早速、対策としてその日に使った資材などを、所定のノートに書いて報告してもらうようにしました。ただ手書きによる報告はかなり手間がかかってしまい、そのために居残り残業のようなことも発生してしまったんです。当然、現場からは多くの不満の声があがったのですが、良い改善方法が思いつかず2~3ヶ月くらいでやめてしまいした。
ですが原価率が悪化している現状を改善させるためには、各現場からの報告が必要だということは変わりません。
そこで手書きが問題になるのなら、アプリを活用して自分達のスマホなどで報告できるようにしようと考えました。建設業アプリ、現場アプリなどで検索し、比較サイトなどで情報収集しながら探していたらPROSHARE(プロシェア)を見つけたんです。
――PROSHAREを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
自社の事業規模で考えると、あまり多機能なものは必要ないので、画面のわかりやすさや多機能ではないものを求めていたからです。操作性が良さそうなのと、余計な機能がなく費用感も丁度いいと判断しPROSHAREを選びました。
02
PROSHAREチャットで情報共有の仕組みを構築し安定した粗利確保に成功
――導入当時の様子をお聞かせください。
まずは現場の職長など、数名のみで運用を始めました。導入段階でつまずくことはなかったと思います。
PROSHAREで主に使いたいと思っていたのがチャット機能です。PROSHAREチャットで全員と繋がり、相互に情報共有することを考えていたのですが、年齢層なども鑑みて段階的に導入することにしました。各現場の管理者となる人たちに、日報も兼ねてその日使った材料や、誰が関わっていたかなどを報告してもらうようにしました。
――導入してから半年ほど経ちますが、見込んでいた効果は得られていますか。
はい。まず社長が、現場の進捗や材料を使いすぎていないか等の確認ができるようになりましたし、経理の私としても各現場からの報告をもとに原価管理ができるようになっています。
あと元請け別に原価率の比較もできるようになったので、売り上げ先の比重も見ながら受注する案件を調整できるようにもなりました。
――チャットで情報共有がスムーズになったことで原価率が改善されたのですね。具体的にどの程度の改善に繋がったのでしょうか。
導入する前は、現場によっては(利益が)マイナスになるようなところもあったのですが、今は安定して粗利20~25%を保てているかなと思います。しっかりと利益が残るようになったのは、当たり前かもしれませんがかなり大きな改善です。
――大変良い効果があったとのことですが、現場目線で見ると「監視の目が強くなった」など、ネガティブな意見は出なかったのでしょうか。
それは確かにありました。前例もあったので、取り組み始めは毎日報告があがってくることは少なかったですね。都度、社長がしっかりと声をかけてくれていたことで何とか続けられていました。
そこで少しでも自発的に報告してもらえるように、報告してもらっている現場数に応じて現場の管理手当という形で手当を出すようにしたんです。手当を出してもやる価値があると考えていたので、導入開始から2ヶ月くらいから始めました。こうした取り組みもあって、今ではかなり定着してきています。
03
改善に欠かせないツールの導入を進めるため確かな根拠を示す
――ベストな仕組みとして定着しつつある感じですね。
そうですね。現場の管理という面ではかなり定着してきているという実感はあります。
毎日報告してもらった数字をExcelのシートにまとめ、単価が自動的に出るようにしているのでリアルタイムに粗利がわかるようになりました。「何日の時点で粗利が何%だから、あとどのくらい使えるか」というのが一目でわかるので、社長もすぐに状況把握ができるようになっています。
――本当に大変素晴らしい取り組みだと思うのですが、丸川さんはどのような進め方をしてこのような仕組みを構築できたのか、その進め方が知りたいです。
従業員だけでなく社長自身もそうですが、意識改革というところが一番大きいと考えています。正直なところ、社長もPROSHARE導入当初は懐疑的というか、あまりこうしたアプリに馴染みがないので「導入してどうなるんだ」という気持ちを持っていました。
ただ会社の状況が良くない方向に向かっているという実感は社長にもあったので、その危機感から私の話を聞いて導入しようと踏み切ってくれました。それからは社長が率先して従業員にも伝えてくれたので、浸透したのだと思っています。
PROSHAREのようなツールは導入すれば良くなるというものではありません。弊社の場合は明確に原価や粗利を改善させたいという目的を達成するために何をすればいいのか。そのことを明確に社長に伝えられたことで、活用する意義が従業員にも伝わり皆が活用しようという意識を持ってくれたことが重要なポイントだったと感じています。
――最初は懐疑的だった社長に対して丸川さんはどのような話をされたのでしょうか。
相談したタイミングが決算月だったこともあって、決算の数字や決算を作っていく過程の数字をもとに資金繰りしても悪化する根拠を示しました。その上で「このまま何も対策をしないと潰れてしまいます」とはっきり伝えたんです。
一度は対策を諦めましたが、なんとかして現場からの報告を再開させないといけないという危機感を、社長が納得できるように話しました。
――危機感が伝わるような根拠を示しつつ、話をまとめていかれたのですね。
社長は各現場も外注さんに発注している感覚で「この現場はお前に任せる」という考え方でした。あたかも請負工事を発注するような、下請けに投げる感覚で現場を任せていたと思います。
それでもできるだろうという考えでしたが、実際には現場や資材の管理をしたことがないと粗利の管理や発注金額の把握は難しくて。そもそもその現場をいくらで受けているのかも知らない状態です。
だから任せ方を改めて、全部の現場を社長が把握できるようにしないといけないと考えていました。
――報告するような習慣が付いていくことで、社長だけでなく現場の方も数字に強くなっていきそうですね。
そうですね。まずは「何を材料として認識するか」というところから始めて、金額面をどこまで提示するかは考えながら共有していきました。金額が分かったほうが従業員さんの意識も変わってくると思ったので。
――ちなみに貴社ではどこまでオープンにされていたのでしょうか。
とはいえ必要最低限の範囲までです。社長の意向もあって、そこまで広くオープンはしていません。例えば、各現場の見積額も開示していないというくらいです。
――そこまで開示しなくても運用できるのですね。
社長自身がどれだけ現場に目を向けて把握できるかしだいです。毎日、使用材料を見て把握できているからこそ、誤発注が少なくなったりとか、余分な発注をしていることは減ったので。発注の仕方を指導できるようになったことは、今回の取り組みのなかで良かったことの一つですね。
例えば弊社だとブロックの発注があるのですが、実際に図面を見て何メートル必要かを判断して発注します。そこでメートルを切り上げるのか、切り下げるのかが大きな違いです。ここでかなり差が出ていました。
現場は何回も発注したくないので多めに頼む傾向にあります。メートル数を切り上げてさらにそれをブロック数で割ったときに、その小数点をまた切り上げるなど、常に多め多めの発注をしていました。
そこは社長の考えとは逆なんです。少なめの発注をして足りない分だけを発注してほしい。そこがあまり現場に伝わっていなかったのですが、PROSHAREチャットの日報を見て意識的なところから発注の仕方を指導できるようになりましたね。
04
売上とスケジュールをPROSHAREで管理し更なる改善にも取り組む
――PROSHAREチャット以外にも工程管理を使っているとのことでしたが、どのように活用されているのでしょうか。
現場の進捗やスケジュール管理をするには、チャットの報告だけでは難しいので使いはじめました。主に社長が各現場のスケジュールを把握するためなので、あまり細かく管理しているわけではありません。
工程管理表には工事期間と発注金額を記載し、各現場が何ヶ月もかかるのか、出来高で売り上げがいくらくらいあるのかを把握できるようにしています。
最近は原価率や粗利の問題が改善されてきたので、粗利に応じた売上の目標額を設定するようになりました。この工程表を見れば、目標に対してどのくらい到達しているかがひと目でわかります。現場の数と売上額を同時に見られるようにして社長が元請けさんと話しやすいようにしています。
今まではこの工程表に記載していることが社長の頭にしかなくて。そのため、請求書を作る際に漏れなく請求できているのかもだんだん怪しくなっていました。工程表を作ったことで、こうしたこともあわせて管理できるようになっています。
工程表の本来の使い方とは少し違うと思うのですが、私たちはこのような使い方をしています。
――自社の課題解決にフォーカスして上手くツールの機能を使われているんですね。
ありがとうございます。やはり導入するだけで終わってしまうのはもったいないので、少しでも自社にとって有益な使い方を考えていきたいと思っています。
05
チャット本来の使い方にも取り組みコミュニケーションをスムーズに
――最後に今後PROSHAREをどのように活用していこうと考えているのかお聞かせください。
今は導入のしやすさを優先して、社内でも一部の人、職長クラスの人にしか導入というか普及はしていないのですが、今後は経理からの伝達もPROSHAREを通じてコミュニケーションが取れるようにはしていきたいと考えています。連絡漏れなど遡って確認できるようにもなるので。
あと今は報告するためだけに活用していますが、もっと社内のコミュニケーションがスムーズにできるよう、全従業員に導入するのが次のステップだと思っています。
今はデータや数値管理目的をメインで運用していますが、チャット本来の使い方であるコミュニケーションの部分も設計できれば、職場環境ももっと良くなります。職長達はPROSHAREの使い方をかなり覚えてくれているので、他の従業員や職人さんへ使い方を伝えてもらえるように進めていきたいですね。
チャット面は小まめにアップデートされ、日に日に使いやすくなっています。機能的な面はまだまだ使いこなせているわけではないのですが、これからも自社の課題解決や環境改善のためにできる使い方を考えながら活用していきます。
▼PROSHAREの資料はこちらから無料ダウンロードできます。
https://contact.kentem.biz/site_catalog
また、今回記事の中で北原工業様が活用されていた「原価管理表」のテンプレートを特別に共有いただきました。PROSHAREチャットとこちらのテンプレートを活用し、現場の環境改善に取り組んでみてください。
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