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中小建設業の若者離れ 本当の原因とは?防ぐために必要な対策も解説
最終更新日:2024/10/30
30歳以下の若手採用と定着は、どの業界でも経営者の頭を悩ましている課題です。中でも建設業は、厳しい、辛い、大変といった一般的なイメージが強いことで採用が難しく、仮に採用できても従業員や職人との年齢差もあり、定着させるのが一苦労だと思われていないでしょうか。
しかし実際に、女性が現場でやりがいをもって働いている企業もあれば、会社の理念に惹かれて生き生きと働いている若者もいます。
若者離れを防ぐ方法は、採用であれば「条件面以外の自社の強み」を伝えること、採用後の定着のためには古い慣習を変えるべく「業務の効率化」をして、働きやすい環境を整えることです。
本記事では、中小建設業にとって必要な「若者離れの原因と対策」を具体的にお伝えするので、若者の採用・定着対策に役立つ知識が得られます。
もくじ
建設業の若者離れの実態
建設業の現場では、度々、人手不足が問題視されますが実際はどうなのでしょうか?
LIFULL HOME’Sのコラムで紹介されていた内容を参考にすると、
建設業界における就業者は近年減少傾向にあります。
引用:「深刻な職人不足。人材育成とオートメーション化が重要なカギ」
2020年11月度の建設就業者数は505万人といわれており、ピークであった1997年の685万人から約26%減少しています。さらに、総務省の労働力調査によると、建設業就業者のうち約34%にあたる176万人が55歳以上で、29歳以下は58万人で約11%。就業者の高齢化が進んでおり、若い世代への技術継承が大きな問題となっています。
さらに総務省統計局の調査によると、建設業の2021年3月での労働者数は499万人となっているので、人手不足問題は今現在も継続していることが分かります。そしてコラムにも書かれている通り、29歳以下が業界の1割程度だと考えると、若者の採用や定着の対策はどの企業にとっても必要なことだと言えます。
建設業の若者離れが多い原因は「労働に見合った収入」
30歳以下の若者が定着しない、採用できない根本的な原因は「労働条件に見合った収入が得られない」ということが考えられます。
その理由の根拠は内閣府のデータです。平成29年度(2017年)の内閣府の調査によると、若者が仕事をする目的は「収入を得るため」が84.6%が突出しており「仕事を通して達成感や生きがいを得るため」が15.8%になっています。
平成30年度(2018年)に行われた別の調査でも、仕事を選ぶ際に重視する点は「収入」が70.7%となっており、次いで「仕事内容」63.1%「労働時間」60.3%という結果になっているので「収入」は特に大きな要素として関係していることが分かります。
このような結果から、建設業界で若者離れを促進させないためには大前提として「労働に見合った収入」という考え方が必要になると考えられます。
参考:特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~
【補足】若者離れが進む他の理由について
若者離れが進む理由は、収入だけではないので他の理由も補足としてご紹介します。「建設業 若者離れ」で検索した際に表示される上位10ページで解説されている理由を抜粋してまとめると以下の通りです。
1.3K(きつい・危険・汚い)のイメージが根強くある
2.雇用条件が悪いイメージがある
3.収入が不安定である
4.体力的な問題で長続きしない(体育会系過ぎる)
他にも「会社の魅力が伝えられていない」「教育がないがしろにされている」「週休1日」などがあります。こういった状況を解消するには、自社の働く環境を改善していくことと、その取り組みをしっかりと求人募集の際に発信していくことが大切です。
建設業の若者離れ対策【採用・定着】
建設現場の現状をふまえて、具体的に取るべき対策を【採用編】と【定着編】に分けてお伝えしていきます。先に結論をお伝えすると、以下の通りです。
・採用は「採用広報に力を入れること」
条件面だけでは伝えられない現場の良い面を採用広報で伝える。
・定着は「仕事の効率化を進めること」
現場の働き方を効率良くして働きやすい現場改善が必須。
順に解説していきます。
【若者離れの採用対策】採用広報で自社にしかない強みを伝える
採用広報というのは、簡単に言うと「雰囲気や人柄といった企業の雰囲気を求職者に伝える」ことです。一般的な求人情報というのは、事務的な雇用条件の羅列なので、どのような雰囲気の職場なのかが分かりません。
例えば、女性が働いている職場であれば、その従業員の社員インタビューを行い記事を投稿することで、条件面だけでなく実際に職場で働いている女性の様子や企業の雰囲気を理解することができます。
・自分たちの職場には「見て覚えろ」のような古い教育体制は無い
・ITツールを活用して最先端な建設業を実践しているカッコイイ現場
・職人や従業員のキャリアアップ制度が充実して収入増が見込める
など、条件面以外のリアルを伝えることが採用広報です。採用広報に取り組み、一般的に言われている建設業界のイメージとは違う自社ならではの良さを求職者に伝えましょう。
【若者離れの定着対策】仕事の効率化を進めて労働環境を良くする
若者の定着対策になぜ仕事の効率化が必要かと言うと、長時間労働の削減や業績の向上に繋がり、それが結果として労働環境を快適にしてくれるからです。
「労働に見合った収入」を実現するための方法は直接的な給与増だけではありません。仕事を効率化し余計な労力を減らし、「割に合わない……」と感じることは減らしましょう。
効率化を実現するための具体的かつ効果的な方法は「ITツールの導入」です。働く人間の身体は一つですから、どれだけ仕事ができる人間でも作業量には限界があります。その点を補ってくれるのがITツールです。
ITツールを使うと、例えばスマホ一つで現場報告や写真、図面の共有ができるようになったり、紙が不要(もしくは削減)になり経費を抑えられたり、あらゆる業務を効率化できます。
また、建設業界はまだまだデジタル化が遅れていると業界だと認識されています。オンライン会議、リモートワークなどが主流になりつつある今、若者が憧れる職場・働きたいと思う職場にするためにもITツールは積極的に活用することをおすすめします。
ITツールで建設業の仕事を効率するためのポイントは、こちらの資料で詳しく解説していますので興味がある方はぜひご覧ください。
建設業の若者離れを止めるために「現場の事実を伝える」
建設業の若者離れを止めるためには、世間一般のイメージに左右されない「自社の強み」や「現場の事実」を確実に届けることでです。そしてそのためには、今現在の労働環境が採用広報としてアピールできる環境にあるのかを見直す必要があります。
そしてこれらを伝えるためには、インターネットからの発信も上手に活用しましょう。建設業界のイメージを払拭させるには、それぞれの企業が働く環境改善を行い、その中身をオープンに発信していくことが必要です。
実際にインターネットからの発信を続けた結果、以下のような事例もあったと言います。
最近実際にあった話ですが、日頃からネットを活用し会社や社員の魅力を発信し続けている企業で高校生からの問い合わせがありました。学校を卒業したら入社したい、その職業に就きたい、会社を見学できないかという内容です。
工業高校の新卒者といえば建設業では一番欲しい若者の層ではないかと思います。伝えるべきことを継続的に発信し続けることで直接のアプローチも出来るのです。
その会社で行っている取り組みを考えると、「給与制度の見直し」「新人への教育体制」「先輩とコミュニケーションを取りやすい文化の確立」「福利厚生や手当の充実」など、積極的にできることに取り組み、それをホームページを駆使し、web上でも発信し続けていました。
引用元:建設業の若者離れに私たちは何ができるのか
経営者は「建設業だから集まらない」と諦めるのでは無く、本記事で解説したような具体策にぜひ取り組んでください。
課題を解決すれば人は集まり、定着する可能性は十分にあります。建設業の仕事は世の中にとって、無くてはならない大切な仕事です。
まとめ:自社の強みを若者に対して分かるように伝えよう
建設業の若者離れを防ぐために大事なことは、
・条件面だけではない自社の強みを発信する
・若者の特性を理解し働きやすい労働環境を作る
・ITツールやインターネットの力も使いこなそう
40~50代が過ごしてきた20代の頃とは様々な環境が違います。その中でもネット技術やデジタルツールの分野は特に違うかもしれません。若者がどういったものに興味関心を示しているかを理解し、建設業で素敵な若者が働ける環境を作っていきましょう。
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