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【2022年5月現在】建設業界の今後はどうなる?業界の将来や求められる人材とは
最終更新日:2022/10/21

2020年に広がった新型コロナウイルスは、様々な業界に大きな影響を与えました。当時はすぐに収束すると考え、今我慢すれば元の生活に戻るという見方もあったかと思います。しかし2022年になった今、コロナだけでなく世界情勢が不安定になる中、建設業界の将来は今後どうなってしまうのか不安を感じている方もいるでしょう。
本記事では関係する情報をリサーチし、建設業界が今後どうなっていくと見られているのかを記事にまとめました。中長期の計画を考える時など、少しでも参考になれば幸いです。
建設業界がより良い方向へ向かっていくためには、IT化やAI導入などで労働環境を改善させることが欠かせません。今後、建設業界の現場に求められるものや、建設業界にとって必要な人材など、詳しくご紹介していきます。
もくじ
建設業界は今後の景気を刺激する業界
JAGフィールド株式会社は2021年に東京で開催されたオリンピック・パラリンピック後に、建設業界に従事する方を対象とした調査を実施しました。
その際、「オリンピック・パラリンピック後も下火にならないか?」という質問に対して45.5%が下火にならないと回答。およそ半数の建設業界従事者は、大阪万博やリニア新幹線、高速道路といったインフラ工事もあることから、半数は下火にならないと考えているのです。
参考:【オリ・パラ後の建設業界、景気はどうなる?】今から転職しても大丈夫?建設業の本音を徹底調査!
景気をけん引する業界だと思っている人は多い
調査で下火にならないと考えている人からは以下のような意見がありました。
少子高齢化といえど総人口は多いため住宅は必要になる(20代/女性/愛知県)
老朽化、耐震工事、災害復旧等の工事が多数ある(30代/男性/山口県)
直後は落ち込むと思うが、リニア新幹線など需要も多い(40代/男性/愛知県)
必ず古くなる建物があるから、取り壊して新しいものを作る(40代/男性/富山県)
災害対策など、まだまだインフラ整備は必要(50代/男性/東京都)
【オリ・パラ後の建設業界、景気はどうなる?】今から転職しても大丈夫?建設業の本音を徹底調査!
このような声から、建設業界の動きによって都市圏はもちろん、地方の景気活性化にもつながるという意見が多く見られました。他にもインフラ整備や公共事業などが景気の刺激になり得るという考えを持っているようです。
今後力を入れるべきインフラ整備
景気の刺激になることが期待されているインフラ整備は、その中でも特に都市部の老朽化した下水道整備が最も力を入れるべきだと考えられているようです。
日本の下水道普及率は90%を超えるほど高い数値となっているものの、未だ下水道整備が万全ではない地域が10%も残っています。
また、効率的な汚水処理整備を進めていくために、既整備区域でも徹底的な見直しが必要とされています。今後の建設業界ではこうしたインフラ整備がより注力されることになるでしょう。
【求められるのは建設業界全体のDX化】テレワークやICT化への期待
今後の景気にも大きな影響を与えることが期待されている建設業界ですが、人材不足や労働環境などの問題点も指摘されています。このような環境を改善するべく、建設業界のDX化が求められています。テレワークの導入やICT化・IT技術の活用も必要です。
▼建設業界のDX化とは?基本を知りたい方はこちらの記事をご覧ください
テレワークの浸透は徐々に進んでいる
現場作業が多い建設業界ですが、実はテレワークの波が徐々に浸透し始めています。令和2年 通信利用動向調査報告書 (企業編) によると、令和元年には導入率22.5%だったのが、令和2年には56.3%まで増加しています。
もちろん工事作業をテレワークで行うことは困難であるため、ほとんど事務作業となる施工管理や設計の業務でテレワークが進んでいるのが現状です。しかし、テレワーク化によって移動・残業時間が減少するだけでなく、ペーパーレス化やクラウド活用による情報共有など、様々なメリットも得られるのは間違いありません。
コロナ禍のような世界的なパンデミックがそう何度もあるとは考えにくいですが、2022年5月現在、新たな感染症として「サル痘」が話題にもなっています。不安定化する世界情勢に関しても、決して対岸の火事ではありません。
どのような状況になっても、経済活動と止めない働き方ができることは、建設業界に限らず全ての業種で求められていることだと言えるでしょう。テレワークにも抵抗感を持たず、まずは「どんなことからテレワークができるのか」考えてみることが大切です。
i-constructionの加速化で建設業界のイメージも変わる
それでもテレワークはあくまで事務作業にしか当てはまらないものです。
そこで建設業界でもICT化を進めるために国土交通省などは「i-construction」の実施・加速化を目指しています。
i-constructionは建設業で生産性を向上させるためにICT技術を取り入れることです。
例えばドローンを使用した空中撮影による測量、機械の自動運転化、施工時期を平準化させることで繁忙期と閑散期を減少させるなどの取り組みが挙げられます。
i-constructionを加速化させることで作業員が危険な労働を行わずに済むことも増え、3K(きつい・汚い・危険)のイメージからも解放されると予測できます。
▼i-Constructionについて詳しく知りたい方はこちら
【建設現場の効率化】現場の生産性を高める方法とは?「i-Construction」に基づく施策が重要
IT化やAI導入を図る企業も増えている
大手会社でIT化やAI導入が進められている中で、実は中小企業でもIT化・AI導入を図る企業は増えてきています。
例えばタブレット端末を使って現場をまとめて管理したり、自動作図ソフトを導入して生産性・効率性のアップを目指したりしています。
IT化・AI導入というと中小企業では難しいイメージがあるものの、現在は比較的簡単に導入できて、なおかつ生産性・効率性アップにつながるサービスが増加しているのです。
▼ITツールに欠かせない「クラウド」。現場に導入するメリットとは?
▼現場の効率化に効果的な「グループウェア」とは?
今後の建設業界で求められている人材
IT化やAI導入で人材不足の解消を目指す建設業界ですが、それでも人材が不要になるわけではありません。
今後の建設業界ではどんな人材が求められるようになるのでしょうか?
多様な人材の採用
まだまだ古い慣習が残る建設業界ですが、他の業界同様、多様な人材を活用することが求められています。これは業界が求めているというよりも、社会的な潮流と言えるでしょう。
男性・女性というくくりで、できる仕事とできない仕事を振り分けない。例えば、男性が事務職に就き、女性が施工管理の現場責任者になるといったこともできるはずです。正当な理由もなく、取り組む業務に差が生じるような企業は、今後ますます人材不足が深刻化していく可能性があります。
なぜなら、求人票で採用条件だけを見て働き先を決める、といったことは少なくなってきているからです。社会の流れをつかみ、時代にあった人材を採用しましょう。
多様な人材が活躍できる職場になることで、人材不足問題の解消にもつながります。
▼施工管理のポジションに女性を活用する理由とは
施工管理のポジションに女性と男性の区別はなし。多様性のある働き方を建設業にも。
若者離れから若い人材を求める声も多い
ベテラン技術者ばかり求めていては今後の建設業界のさらなる発展は難しいと言えます。そのため、経営者の中には建設業界の若者離れを解消し、若い人材を求める声も多いのです。
先述した多様な人材の採用とも近いですが、若い人材を増やすには、やはり3Kのイメージを解消しつつ、若者が「働きやすい」と感じられる現場にしていくことが大切になってきます。
▼建設業界の若者離れはなぜ起こっているのか?
中小建設業の若者離れ 本当の原因とは?防ぐために必要な対策も解説
建設業界の今後のまとめ
今回は建設業界の今後や求められる人材について解説してきました。
建設業界は今後も日本経済をけん引していく業界になっていくことは間違いありません。しかし現状は、人材不足やDX化の遅れなどの問題があるのも実情です。
このような問題を解決し、多くの人が働きやすい業界にしていくためには、業務の効率化・生産性向上を目指すことが重要となります。今後の建設業界をより大きくしていくため、効率化・生産性向上を考えたい方は、ITツールの活用やAI導入も検討しましょう。
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